無印ウィンヴルガにおける「花びら」の暗示、そして見えてくるヨミの末路

 

舞う千年木の葉

 

この話はヨミの感想(考察)記事の続き、その訂正でもあります。

 

lomm.hatenablog.com

 

先日ウィンヴルガの一部のメタファー考察記事を書いたばかりですが、そこで取り上げ忘れた事として真白の頭についてる花もどきがありました。

前回の記事↓

lomm.hatenablog.com

 

 

本当はヨミの感想記事を書いた時に気づいておけよと、ヨミの感想を読んでいただいた方は思った事でしょう。はい、今気づきました。多分、読解力が高い他の読者も気づいていたことでしょう。

 

まぁ恥ずかしい話如何に自分がちゃんと漫画を読解できてないか、描写を拾えてないか。ヨミ推し、ヨミ好きとして絶望的な現実を4年かかってようやく気づいたので反省の意味も含め書きます。

 

事の発端というか花の意味について、言い忘れてたなーと思いこういう内容をポストした↓

 

「ウンウン、悪くない読解だね。しかしだ、花が”完全に消失”したのは本当に3巻かね?」

 

「はん?いや3巻だろ?だって4巻の真白と黒真白の精神世界では…ありゃ、4巻以降も普通にまだ付いてるね」

 

「まったく、早とちりはいけないぞ」

 

「ムムム…でも誰かが死ぬ度に花の花弁が散る。コレは確かだろう?」

 

「そうだな、じゃあいつどのタイミングで花が散ってるのか目を皿にして読み返してこい」

 

はい、と言うわけで見返してみよう。

 

まず1巻で花もどきを入手した真白。ここで死ぬのはマイです、ボイドミューラーから上のボイドへとたどり着いた時真白の頭にある花の花弁は4つに減ってますね。

 

次に花弁が散ったのは3巻です。ここでは真白とウィンヴルガの獣落ちを鎮めるため、玖尾狐、マコト、アキ、ラーラの4人が人柱になり消えました。ここでも花が散る描写がありますね。

 

それから4巻では真白の花は花弁が3つに減ってます。ではこの花弁が次に減ったのはいつかと言うと6巻です。花が散った描写があるのはここ。

 

 

「©︎綱島志朗/人狼機ウィンヴルガ6巻/秋田書店

ここは若干のミスリードでゼインが死んだ散ったのかと思いきや違う。ではこの6巻では誰が死んだのか、ヨミの隊に居た副隊長しぐれですね。

 

コレは妄想だが

マイがゼインを生かす代わりにそらした銃弾。その「死」の運命、銃弾がしぐれに当立ってしまったと考えるか?…いやコレは戯れ言か。意地悪い解釈すぎるね

 

 

そして2枚になった花びらは、その後どうなったのか。

 

2枚になった真白の花弁は毛量の多い髪の毛に食い込んで判りづらいので大分目を皿にして注意深く探す。

 

 

8巻で戦っているときはまだ真白の頭についてる花弁は2つだった。大分分かりづらいけれど。

 

だが戦いが終わった後、再開したケンカオルナイトと会話してるコマを見てみると?



©️綱島志朗/人狼機ウィンヴルガ8巻/秋田書店

コレが花弁であるかどうかは若干怪しいかもだが通常状態の真白は耳が生えないし、左頭にもは何もついていないことから花弁だろう。(*でもあまり自信はないかもどちらかというと髪の毛にも見える)

 

1つだけになってる?・・・・

 

あぅ…もうこの時点でかなり気づいてしまっている。と言うか大分気づくのが遅すぎたんだよね。ヨミの感想を書いてる時に気づくべきだった。あのときはまだ、望みが残ってるんじゃないかと思って書いてたからね。

 

ふぅ、さて次に死んだのは一体誰だったのか…

 

次の犠牲になったのは、そうヨミだったね

 

じゃあ、8巻で花が散っている描写があるコマはどれよ?それは何を隠そうあのコマだった。

 

昨年の夏ごろ、ヨミの消息についての伏線に今更ながら読み解けたと、そしてそれを感想の一部に入れていたけど、そこでは倒れたヨミをネクトゥが連れ去ったと言う鬱描写に気づいたと言う話だった。そのときは花弁の意味や象徴性まで拾えてなかった。では改めてこのコマを見ると、青歌の周りに花弁が舞っている。(正直このコマはあまり見返したくないんだけどね…)

 

あーもうこのコマは本当に惨たらしいし無慈悲だ。

 

「なんでオメーがヨミを抱えて連れて行ってんだよ、勘弁してくれ」何度でも叫びたい

©️綱島志朗/人狼機ウィンヴルガ8巻/秋田書店

もう、ここまで描写されてきた花弁の意味を考えると、つまりそう言うことになってしまうのではないか!この伏線っぽい描写がありながら、なぜヨミ転生落書き?があったのか。その意味がようやく繋がった。

 

はあーこりゃチェックメイトじゃん…マジしんどい…辛ヒ…

 

どこかでヨミはまだ生きてるのではないか?まだ希望があるはずだ。と言う微かな思いはここでポッキリ折れてしまう

 

俺が好きな花は本当に散ってしまったのか?

 

散々感想に書いたけど、正直ヨミの犠牲には納得がいかない面が多々あるし、この象徴性に気づいた今やっぱり前回の記事で触れたようにヨミについて書くことが出てくるかもしれない。それにもっとうまく批評してくれる人もいるかもしれないし。

 

表向きの流れでは犠牲もありながらドミネイターに勝ちました、新生アヴァンルージュの発足だっ!と前向きな流れになっているが、じゃあ一体作中で誰がヨミの悲しい末路と報われなさに気づいてあげられるのよ、誰がそのことについて認識し語ってくれるのだろうか。

10巻オマケを見るに青歌はヨミの死を察したのだろうけど、ネクトゥに連れされたと言う最悪の末路を迎えたこと、女王という立場があるし引きずってられないという割り切りでますます誰も触れてはくれない。ヨミに思入れがある人物がメインキャラクターサイドに青歌以外誰もいないからだ。

それは悲しすぎんだろ。まぁメタ的にヨミから読者の意識をそらすという意図があるのかもしれない。その後の40話冒頭の真白と飛花のヨミへのセリフが不自然さ満載だからね。ただあれだけだとイマイチなんだかよく分からないまま。

 

最初の感想記事でも書いたことで繰り返しになってしまうが

この受け入れ難いヨミをネクトゥが展開が持ち去って退場するという鬱エンドがなぜそうなったのかその意図を精一杯解釈するとするなら「ネクトゥがヨミを愛してるから」になりそうでますます気持ちが悪くなるのよね。いや、そんなの許されるかよ!?

 

それがアリなら真白を狙った根室も青歌を狙う最高司令も全部正当化される筈だ。だってやってることは同じだからね。

 

今の所コレしか頭をひねっても出てこない。それに多分、この話はもっと悲劇として続きがありそうだし。

 

もうなんだろ・・・・・せめて自分は感想・批評という形でヨミの報われなさとか悲哀について触れてあげて語りたいなと思う

 

ヨミが死んだことで真白の花の花弁が2つから1つになった。コレで作中でぼかされていたヨミの生死は、死亡という結論に9割9分ということになってしまったのだろうか

 

真白の花弁が1つに減った=ヨミの死。

でもコレが僕の誤読と深読みであることを願うよ

 

皆さんはどう読解・解釈したであろうか。

 

 

「いやどうよ、今更その描写の意味に気づいた気分は?」

「まだだ」

「は?」

「ヨミは、漢字で書くと黄泉だろう。コレは一見不吉な意味にも思えるが違う」

「そう、黄泉がえりだ」

「だからヨミはしれっと生きてる可能性は微かだが残ってるはずじゃあ」

「はあ笑、もう好きにしろ呆」

 

というわけで、やけくそ茶番劇で締めたいと思います。終